交通事故にあって怪我をした場合、治療を続けますが、いずれ加害者と示談交渉をしなければいけません。多くの場合は加害者の保険会社とすることになりますが、被害者として知っておいた方が良い情報がありますので、ご紹介します。
事故証明書の内容って何が記載されるのか
交通事故に遭うと、その被害者は加害者あるいは加害者が契約する保険会社に対して損害賠償金の請求を行うことが可能となります。その際に必要な書類のひとつとして事故証明書があります。これは事故が起きたことを証明する書類であり、事故が発生した住所を管轄する自動車安全運転センターで発行されます。ただし、発行されるためには事故が発生したことを警察に通報することが必要です。
この事故証明書には、事故発生日時、場所、事故の当事者の氏名と住所、当該車両の車両番号、当事者が加入している自賠責保険の情報、そして事故類型が記載されます。事故類型とは、その事故がどのような内容の事故であったかを示したものです。そして、何よりも重要なのは、誰が事故の加害者であり被害者であるかを示していることです。これらは事故発生時に事故現場に来た警察官がまとめます。軽微な事故であれば事故現場に来た警察官が双方立ち会いのもと事故内容を確認するだけですが、死亡事故などの場合には実況見分が行われます。このように、事故証明書には発生した事故の大まかな内容が記載されています。被害者はこの書類を取得することによって加害者が契約している保険会社に損害賠償金の請求を行うのことが可能になります。事故証明書の取得可能な者は、事故の当事者またはその家族となります。基本的に加害者が契約している保険会社が取得するケースが多くなっていますが、被害者が取得しても何ら問題はありません。
交通事故の示談交渉の開始時期はいつ?
交通事故に遭うと、怪我の治療・持ち物の損壊・仕事ができず収入の減・精神的なダメージと、いろいろな方面で多大な損害を被ってしまいます。交通事故の被害者は、そうした損害分の金銭を加害者に請求できます。これが交通事故の損害賠償請求です。実際にいくら請求をし、加害者がいくら支払うか、またその内容については交通事故の当事者どうしが解決策を話し合う示談交渉で決定します。ほとんどの任意保険には加害者になってしまった時に備えた示談代行サービスが付いていて、加害者はそれを利用するので実際の示談交渉は被害者と相手の保険会社との話し合いになります。示談交渉の開始時期という点においては、適したタイミングがあります。そのタイミングは、事故の種類によって違ってきます。
■ 死亡事故
死亡事故の場合はすぐに示談交渉を始めることができますが、遺族の気持ちを考えて葬儀が終わり落ち着いた頃に交渉を開始するのが一般的です。
■ 死亡事故に準ずるような後遺症・重症
死亡事故に準ずるような重度の後遺障害が残ってしまうケースでは、後遺障害の症状が固定し障害の等級認定が受けられるようになったら交渉を開始します。これは、後遺障害にまつわる損害賠償請求では認定される障害の等級によって賠償金の額を計算するためです。
■ 傷害事故(軽傷)
傷害事故、つまり入院や通院治療を伴う怪我をしたケースでは、治療が終わった時が示談交渉の開始時期として適しています。
相手の保険会社は安い示談金での早期解決のために示談交渉の開始時期を早期に提案してくることがありますが、治療途中や後遺障害の症状固定前に示談交渉をしてしまうと、治療費などを満額請求できないことがあり要注意です。
交通事故で車の修理費を請求できる?
交通事故被害者はその事故により損害を被った箇所の修理費を加害者に請求する事ができます。注意事項としましては、判例に基づいた過失割合がある場合、修理費は割合に応じた金額しか請求できません。また加害者が本件で被害を被りその箇所を修理する場合、自信の過失割合分の賠償をしなくてはいけない事です。
損害を被った自動車の修理費用認定は任意保険に加入している場合、修理施工業者と保険会社、保険会社指定損害鑑定会社で損害価格を協定します。協定金額は時価額が限度であり時価を超える修理費の請求は相手が任意保険に対物超過特約等の特約を付帯していない限り法律的にも加害者に賠償を求める事はできません。時価額を超える修理費が発生した場合と物理的に修理不能の場合全損扱いになり、損害を被った車両の時価額での示談となります。
時価額が限度の為買取差額費相当額は保障できません。
しかし、損害を被った自動車の修理をする場合、その代わりとして修理車同等クラスのレンタカー費用(大体30日限度)、もしくは修理工場代車(3千円程度)、事故車両の引取り(レッカー代)、納車費用等は修理施工業者として請求する事ができます。協定が終了し金額が算出された後実際には修理をしない、もしくは新しい車両を購入しないケースもあるので、その場合は修理施工業者への送金ではなく協定金額から消費税額を差し引いた金額を被害者が直接請求する事も可能です。その場合実際に修理をしないので修理業者への必要経費は請求する事はできません。加害者が任意保険に加入していない場合は上記の限りではありません。お互いの話し合いでの示談となりますし、相手にお金がない場合は請求、取り立てをする事も難しくなります。
後遺障害等級認定に納得できない方へ
交通事故で怪我をし、その怪我の治療が終わっても回復の見込みのない症状が固定的に残ってしまうことがあります。その固定症状によって、要介護など日常生活に支障が出たり仕事をする能力に低下が認められると後遺障害に認定されます。後遺障害に認定されると、入院通院の傷害慰謝料とは別に後遺障害分の慰謝料が請求でき、労働能力の低下により減ってしまう将来の収入も逸失利益という項目で損害賠償請求できます。後遺障害には等級の制度があって、障害の程度や症状を1級から14級の数字で示しています。慰謝料や逸失利益の後遺障害関連の賠償金の額は、等級をベースに計算されます。よって、後遺障害の損害賠償請求にはまずは後遺障害等級認定を受ける必要があります。
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後遺障害等級認定の手続きの流れ
後遺障害等級認定の手続きの流れは、医師の発行する診断書をはじめとした必要書類を整えて自賠責保険の審査会に提出すると後遺障害の等級が決定されます。後遺障害等級認定の申請手続き方法は、事前認定といって加害者の保険会社に任せてしまう方法と被害者自身が手続きする被害者請求の2通りの方法があります。後遺障害の等級はその後請求できる賠償金の額に直結しますから、弁護士のサポートを得て被害者請求で内容を把握しておくのが安心です。
また、認定を受けた後遺障害等級に納得できない場合は、異議申立てや再申請の手続きをとることができます。交通事故問題が得意な弁護士は後遺障害等級認定に関連する医学的な知識も豊富なので、被害者の方が賠償金の額で損をしてしまわないように後遺障害等級認定の被害者請求についてアドバイスをしたり、納得できる等級認定が受けられるまで何度でも異議申し立ての申請をして被害者が受け取れる賠償金額がアップするように尽力してくれます。
交通事故で相手が交渉に応じなかったら?
交通事故で相手が交渉に応じないのは普通にあることです。交通事故の加害者は、ほとんど起訴されなくなっているため、被害者からの心証を良くする必要もないと考えることがあります。刑事責任が問われなかったことで、無実のお墨付きを得たと解釈することもあります。それで、賠償も謝罪もしない加害者が珍しくなくなっています。しかし、加害者が起訴されたかどうかに関わらず、被害者には損害賠償請求権があります。
被害者が加害者の自賠責保険で治療ができるということは、加害者の民事責任が公的に認められたということです。自賠責保険の限度額を超えたら、当然、加害者はその金額を賠償する義務があります。ないと主張するなら、民事裁判でその判決を得ることです。交通事故の損害賠償請求権の時効は3年です。時効成立を防ぐため、内容証明郵便を3年ごとに送ることです。賠償請求を記録に残る形でおこなうことにより、それからまた3年間の請求が可能になります。そうした請求が何度なされようと、加害者は無視し続ける可能性があります。しかし、弁護士を通して請求すると、加害者は、被害者が費用倒れを覚悟して請求にかかっていると認識します。
そうなると、裁判になって賠償命令が出る可能性があり、命令が出たら資産や給料を差し押さえられることもあり得ると理解します。個人を相手にそこまでやるケースは少ないため、あり得ないと安心し切っていた加害者は、被害者が捨て身になっていると考えますので、それまでの姿勢を改めることがあります。
交通事故に強い弁護士とそうでない弁護士の違い
交通事故の損害賠償請求については、被害者と加害者の示談交渉で内容や金額を決めていきます。この時、加害者は自動車保険の示談代行を利用するため話し合いは保険会社と被害者の間で進められます。保険会社は加害者から被害者への賠償金を実際に支払う立場なので、安い賠償金で抑えたいところです。そのため、被害者一人で交渉にあたると保険会社ペースで示談に持ち込まれてしまう懸念があります。交通事故の被害者が示談交渉で損をしないためには、弁護士、それも交通事故に強い弁護士に相談して味方になってもらうのが最善策です。しかしながら、弁護士にも交通事故に強い弁護士とそうでない弁護士がいます。
交通事故に強い弁護士とそうでない弁護士の大きな違いは、交通事故に強い弁護士は被害者が受け取れる損害賠償金の増額につながる手続きが詳しいという点です。例えば、後遺障害が残ってしまう症例では後遺障害の分の慰謝料や将来的に失われる収入を逸失利益として損害賠償請求できます。この後遺障害に関連する損害賠償金は後遺障害として認定され等級により大きく変わってきます。よって、後遺障害の損害賠償請求をするためにはまずは後遺障害等級認定の手続きが必要になります。後遺障害等級認定の手続きは、加害者の保険会社に全て任せてしまう事前認定手続きと被害者が自分で行う被害者請求手続きがあります。事前認定は被害者の手続き上の負担は少ないのですが、認定された後遺障害等級が正当かどうかクリアでないというデメリットがあります。一方被害者請求で後遺障害等級認定を申請すれば、納得のいく示談交渉ができ安心です。
次に、医学的知識の有無です。弁護士が医学の知識?と思われるかもしれませんが、後遺障害等級認定においては重要な知識なので、医学を勉強している弁護士もいるのです。交通事故に強い弁護士なら、後遺障害等級認定に関連する医学的知識も豊富なので早めに相談することで有利なアドバイスがたくさんもらえて安心です。既に認定された後遺障害等級についても、交通事故に強い弁護士なら医学的的知識からその不当を正して、異議申立てや再申請請求をして被害者の売れとれる損害賠償金の増額に尽力してくれます。すべての良い条件を満たす弁護士は交通事故弁護士で探すことが可能です。弁護士はハードルが高いとは思わず気軽に相談しましょう。