交通事故にあった時は自分で示談はおすすめしません

交通事故の被害者になることは、人生でそう何度も起きることではありません。そのため交通事故に遭うとパニックを起こしがちですが、そんな状態で、相手方に対してひとりで示談交渉に応じてはいけません。充分な賠償を受けられなくなる可能性があります。
では、どうすればいいでしょうか。まずは落ち着いて、弁護士を探し、依頼しましょう。このとき大切なのは交通事故の分野を得意とする弁護士に依頼することです。


ではなぜ、弁護士に依頼するといいのでしょうか。
交通事故を起こした加害者サイドは、保険会社が代理として交渉にあたるケースが一般的です。保険会社としては支払いを可能な限り少なくし、早期に交渉を成立させたいと考えていますので、こちらに満足な知識や経験がないまま交渉にあたると、いわれるままの金額で承諾してしまうことが起こり得ます。
しかし、実は、交通事故の慰謝料には、自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準という三つの基準が存在します。自賠責保険基準と弁護士基準では数値に大きな開きがあります。どの基準で慰謝料を算出しているかで、金額に大きな差が出るのです。
弁護士が交渉にあたったことで、慰謝料が大幅にアップしたケースはたくさんあります。納得のいく賠償を受けるためには、自分で示談を行うのはやめ、信頼できる弁護士に任せたほうが賢明でしょう。

それでは、交通事故に強い弁護士を探すにはどうしたらいいでしょうか。
まずは弁護士事務所の公式サイトなどを確認し、交通事故案件をたくさん扱っているところ、実績があるところにしましょう。30分程度の無料相談をやっているところも多いので、実際に相談に訪れましょう。このとき、わかりやすく親身になって対応してくれるところがいいでしょう。いくら有能な弁護士でも、相性があわない相手もいます。会ってみて信頼できそうかどうかというのも大切なポイントです。

交通事故の無過失責任ってなに?

交通事故を起こしたときに、事故を起こした側も事故にあった側もともに過失がある交通事故の場合、例えば7:3や6:4など過失割合が決められ、損害賠償を行うときに過失相殺されます。
しかし一方に過失がないような場合、つまりもらい事故の場合には過失割合が100:0となります。これは、加害者側が被害者に損害賠償の全額を負担することを意味します。
しかし問題としてこの「もらい事故」のケースで、被害者となるべき運転者が、“無過失”であることを証明しなければ、賠償する義務を負うことがあります。これを無過失責任と言います。
民法では「過失責任」主義が取られるのですが、交通事故による損害賠償を規定した自動車損害賠償保障法は民法の特別法にアタリ、ここでは、民法とは違う主義で賠償責任を定めています。
この法の第3条を見るとわかるのですが、損害賠償責任を定める民法第709条と比べたら、「故意または過失により」という文言がないのです。この条文の前文をみると、自動車を運転している者は、どのような場合でも損害賠償の責任を負う、と読めます。
つまり、民法の「過失責任」に対し、自動車損害賠償保障法が「無過失責任」といわれ、これが交通事故の無過失責任と言う事になります。
しかし、このままではすべての責任が被害者側に来ることになります。
それではあまりにも理不尽ですので、責任を負わなくてもよい条件(免責事由)を3つ記載しています。
①自己および運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと
②被害者または運転者以外の第三者に故意または過失があったこと
③自動車に構造上の欠陥または機能の障害がなかったことを
証明したときになります。